オートレーサーの父、阿部光雄氏の英才教育を
受け、アメリカへダートトラック留学。日本の
レースでは何回か地方選手権へ出場したように
記憶している。メーカーの特別推薦枠を利用し
ていきなり全日本へ出場。それも最高峰500cc
を走るので「何者・・？」期待が高まった。ヤ
マハは規律を重んじる向きがあり、特別昇格大
好きのホンダから全日本選手権へ参戦になった。
私が最初にノリックの走りを見たのは、93,全
日本開幕戦(鈴鹿)だった。ヘアピンのアウト側
でカメラを構えていた私はリアタイヤをズルズ
ル～と「豪快」に滑らせながら猛スピードで立
ち上がって行く姿を「ファインダー越しに」ゾ
クっと来た。奴はタイヤ大丈夫か？
しかし、コレで全日本からも近い将来、大排気
量で世界チャンピオンを獲得出来るライダーが
出るかも・・そう思った瞬間でもあった。
ノリックこと阿部典史は、デビュー・イヤーで
全日本500ccのチャンピオンを獲得。1年落ちの
「NSR500」での快挙だった。当時は「シンデレ
ラ・ボーイ」と呼ばれた。その年はヤマハの本
間利彦が耳の病から復調した年でもあり、かつ
ての元祖「シンデレラ・ボーイ」の伊藤真一も
`まだ`若かった。
その後、ノリックはホンダからヤマハへ電撃移
籍。キングケニーこと、ケニー・ロバーツと出
会い、世界GP500へステップアップして行く。
だが、1発の速さは誰しもが認めるも不安定な印
象が強かった。結果、鈴鹿を含む世界GP500で3
度の優勝に留る。 ケニー・ロバーツと別れを告
げたノリックは世界スーパーバイク選手権(WSB)
へ戦いの場を移す。WSB最後の年、2006年ラン
キングは13位に終る。
翌年、全日本に電撃復帰したノリックは、かつ
ての「ゾクゾク」や「輝き」そのものを失って
いたように感じた。世界選手権から全日本に復
帰してもいきなり1勝出来る程、全日本はレベル
が低い選手権ではない。
2007年10月7日夜「ノリック死亡！」のニュー
スを産経新聞のネットで知った。 「マジか～嘘
だべ？」そう思ったが、新聞社が`誤報`を流す
ばずがない。(ノリックの名前だけを知る）各人
のブログには「世界のモータースポーツアスリ
ートが事故死！」なんてトンチンカンな見出し
がやたら鼻につく。1億総(偽)「評論家」。(笑）
かつて産経新聞社はサンケイスポーツを通じて、
底辺の全日本ロードレースを協賛していたのを
良く知っている。ネットがまだ普及していなか
った時代に全日本ロードレースのリザルトと記
事が決勝翌日の新聞に載るのは有難かった。
現在、紙媒体でこの役割を受け持つのは東京中
日スポーツ(トウチュウ)である。マイナーなワ
ールドスーパーバイクは無論、モータースポー
ツ「全般」をカバー。 ただ、名古屋へ行くと
疑問に思うのだが、本家の「中日スポーツ」に
はモータースポーツ情報が少ないのは何故？
近鉄名古屋駅構内の1部の売店と白子駅前のコ
ンビニ(am/pm)で「東京中日スポーツ」が買え
る。＊現在はバスロータリーになっている。
話は大きく逸れたが、それらのブログのほとん
どの記事がWSB(世界スーパーバイク選手権)に
参戦していた事実が全く記載されていなかった。
恐らく、どこかの記事を（知らないから）拝借
したから・・・なんでしょう。（ワラ）
全日本ロードレースは→R2-1→MFJ SUPERBIKE
と名称を変更。今年は伝統の「鈴鹿2＆4」が復
活するも「年間8戦」に縮小。旧西日本(現：美
祢)や仙台ハイランド(現：廃業)、FISCO(富士
スピードウェイ)も是非、復活してもらいたい。
それに西の鈴鹿(ホンダ)、東の筑波、北のSUGO
(ヤマハ)は、年間2戦であるべきだ。
2008年4月6日「全日本ロードレース選手権」
最高峰JSB1000にノリックの遺志を継ぐ、ゼッ
ケン81番、ワイズギアレーシングの佐藤裕児
は惜しくも14位に終わった。
レーサーの「光と影」。人はいつまでも輝き続
けられない。この日記では「二輪レーサーの死」
を不定期(シリーズ)で書き留めて行きます。
乞うご期待!?
この文章は2008年にmixiの日記用に書いたモノ
に加筆しています。（7回連載予定）
<画像データ>
No81 Y'S GEAR RACING <YZF-R1>[07,鈴鹿2&4]
Nikon D80 AF-S300mmF4D+X1.7 1/1000秒
Iso 400
No32 Team Blue Fox <RC45>[94,筑波]
Nikon NewFM2 ED400mmF3.5S+X1.4 1/500
Iso100
No5 Team Rainey YAMAHA <YZR-500>
[97,鈴鹿]
Nikon F5 AF-S500mmF4D SWM+X1.4 1/180
Iso200
